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介護保険制度が生まれた背景は?
日本は、世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。21世紀の半ばには、三人に一人が65歳以上のお年寄りという時代になります。「元気で長生き」というのが理想ですが、現実には、寝たきりや痴呆などで介護を必要とするお年寄りはこれからも増えざるを得ません。現在すでに寝たきりの二人に一人が、3年以上寝たきりの生活を送っており、介護の長期化が目立ってきています。加えて、老老介護という言葉が示すように、介護をする人の5割以上が60歳以上の高齢者です。
また、介護の負担は、思っている以上にその家族に重くのしかかっています。長く続く介護から、介護をしている相手に対して憎しみが生まれたり、虐待があったりなど、精神的な疲労から悲惨な事件に結びつくことさえあります。特に老老介護は共倒れのもとです。
介護の問題は、もはや誰もが避けて通れないものとして、国民一人ひとりが考えなくてはいけないことになってきたのです。
老いて介護が必要になったときに、安心して介護を受けられる、そして介護をする人の負担を少しでも軽くしようといったニーズから生まれたのが、介護保険制度です。高齢化社会において、介護の社会化を進めるために必要な制度として制定されたのです。
社会福祉制度と介護保険制度との違いは?
これまで介護を必要とするお年寄りに対するサポートは、国の社会福祉制度の中で行われてきました。市町村では、地域の社会福祉協議会などの民間福祉団体に委託するかたちで、介護や身の回りの世話をするホームヘルプサービスを提供してきました。あるいは自宅で暮らせない介護が必要なお年寄りには、老人福祉法のもと、特別養護老人ホームなどへ入所してもらうなどの「措置」をしてきました。
社会福祉制度の財源は公費(税金)からということもあって、実際には身寄りがない、所得が少ない、家族の介護が受けられないといった一部の限られた人しか、サポートが受けられない状況がありました。また、お年寄り本人やその家族が自宅での介護サービスや施設を選ぶことができないしくみになっていました。
介護保険制度では、介護保険に加入している誰もが、「権利」として介護サービスを受けられます。また、介護を必要としている本人や、その家族が、自分たちで介護サービスの内容やサービス提供者を選べるようになりました。
介護保険制度は、これまでの受け身の社会福祉制度とは違って、「保険料を払って、消費者として介護サービスを選んで買う」という新しいシステムです。
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