| 有限会社コンフォート 特定非営利活動法人フラワーセラピー研究会 〒150−0001社長紹介
<社長にインタビュー> 「華やかな美しさがないから、とても無理だと思いました。」 子育てが一段落して、マーケティング会社に再就職、9年後に独立して作った商品開発の企画会社「コンフォート」に持ち込まれたその花を見た時の素直な印象でした。その花がオーストラリア西部の半乾燥地帯に何千年も前から自生している野生の花々、その数8千種類にも及ぶワイルドフラワーだったのです。ワイルドフラワーは、外部と隔離された、ほとんど水のない過酷な特殊環境の中で生きているタフな植物で、現在に至るまで何千年もの間、ほとんど原種に近い状態を保ってきたのです。そしてワイルドフラワーはオーストラリアの原住民であるアボリジニが食用や薬草として活用してきたものなのです。 その花に秘められた物語を聞くうちに、何とか世に出してやりたいと思うようになりました。ある時、言語療法士をしている友人の家で、その教え子たちに出会う機会があり、彼らがたどたどしく、けれどひた向きに話す様子を見て、かつての仕事であったフラワーアレンジメントを思い出し、この花をアレンジしたらリハビリに役立てることができるのでは、と考えました。その友人の「そういえば、日本の福祉の世界には、花がないわね。」という一言で、ワイルドフラワーを使ったフラワーセラピーへの取り組みを決心したのです。 日本に輸入されるワイルドフラワーは特殊加工されていて、水なしで半年から1年くらい生存し、その後自然にドライ化します。生の花とドライフラワーの中間という不思議な位置付けにある、枯れきっていない、生命の残っている花なのです。水も使わないので、痴呆状態が進んで何でも口にしてしまうような方にも比較的安心です。また、ドライフラワーのように力のバランスがうまくとれないとボロボロになってしまうようなこともなく、生花のように一定の握力がいるハサミを使わなければならないというようなこともありません。乾いたスポンジ台に、思うがままに刺していくだけでいろいろな飾りができるのです。 福祉の世界に飛び込んだ時、福祉の「ふ」の字も知りませんでした。 でもとにかく考えるよりも行動あるのみと、ある保険所に勤めている知人を頼って、そこの高齢者向けのリハビリ教室でひとりで活動し始めました。作業療法士の方との共同作業を通じて、花への愛情をベースにボランティア活動をするフラワーボランティア、フラワーセラピストを養成することを考えました。新聞に小さく掲載された「フラワーボランティア養成講座」の記事は、予想外の反響を呼び、食事もとらずに応対に追われることになりました。「子育てを終えて、何をしたらいいか分からない」「花が好きで、花を介して何かをしたい」「社会貢献したいが方法を探している」などなど、社会の中で手応えを感じられることをしたいと、切実に望んでいる女性達からの入講申込みが殺到したのです。 それから8年が経った今、卒業生の数は1,000人を越えました。修了生が作るフラワーセラピー研究会の会員は300人に達しました。受講料を払ってまでボランティアをしなければならないのかと考える方もいるかもしれません。1〜2回限りのボランティアではなく、ずっと続けていくのであれば、自分のスケジュールの中でボランティアを優先させる熱意が必要になります。その熱意を支えていくものが、自分自身がやっていることへの、身につけたものへの自信とプライドです。そこまで自分を高めてもらいたいし、また必要なことだと思っています。 花が大嫌いだという人には会ったことがありません。 花はコニュニケーションのきっかけづくりになれます。きっかけが花ならコニュニケーションが否定から始まることはまずありません。花を生かした作品を前にして、いろんな考えがあることを知り、お互いを認め合う、相互理解が生まれれば、生活は楽しくなります。 作業が始まる時には背中を丸めて微動だにせずだまったままだったご婦人が、終わるころには小さな声でハミングしています。福祉っていったいなんでしょう。私は「笑顔の絶えない暮らし」が老後の理想だと思います。 花の持つ不思議な力、その奥深さを改めて感じる毎日です。花を通して、人間が自然と共に生きていることを伝えていけたらと思っています。 |
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