私が不動産業に入ることになったのは、自宅の売却がきっかけでした。その時に宅地建物取引主任という資格があって、その資格があれば不動産業で仕事ができると知りました。 36歳で社会人入学した大学での勉強の傍ら、宅建主任の資格を取得して、在学中に不動産の仕事を始めたのです。 中堅のデベロッパーで働き始め、転職した大手不動産会社のハウジングアドバイザー時代に提案した「主婦チームによる住宅販売」のアイデアが認められ、それはやがて女性による住宅販売会社の設立にまで発展しました。 それまでの経験を活かして52歳で独立し、株式会社ウェスタを設立しました。かつて勤めていた会社から回していただくことになった不動産物件の受託販売の仕事を私自身が先頭に立ってこなしながら、新規に採用したスタッフを育てました。 それから6年経って、ワンルームマンションの1部屋から始めた会社も順調に育ち、今では5部屋を借りるまでになって、社員もフルタイム、パートタイムを合わせて、女性ばかりですが70人以上になりました。ファミリー住宅の販売が主体ですが、家庭というもののマネジメントについては男性よりも女性の方が熱心だから女性スタッフの方が共感を得られるということよりは、不動産業界でも情報がオープンになってきて、女性でも男性と同等の情報が入手できるようになったことでのビジネスチャンスの平等化の影響が大きいと思います。 そして女性達が持っている感性や柔軟な考え方、積極性、誠実さが添えられて、女性による住宅販売の成功を導いているのでしょう。 独立前の会社では、主婦の再就職としては恵まれた報酬をいただいていたにもかかわらず、自分が生涯現役で働ける場を自分自身で作ろうと思いきって作った会社ですが、会社はそこに夢をかけ、生活をかけて働く人達のものだと考えています。ですから、この会社に夢をかける人がいなくなった時には、ウェスタはその役目を終えて、消えてしまってもいいと思っています。 ただ自分の夢をかなえるためには、仕事に対してしっかり自分の方向性が見えていることが大切です。女性が仕事をする背景にはいろいろな事情がありますが、そんな自分の混迷を突き抜けている人でなければ夢をかけた仕事はできないと思っています。 少子高齢社会に向かって、不動産価格はしばらくは値上がりしそうもないと言われていますが、これからの住まいの価値は住みやすい環境とそれを守り育むコミュニティのあり方にかかってきます。自分らしい暮らし方のできる環境=住まいを選ぶということは、ライフスタイルが確立されてはじめてできるものです。そしてその環境を共有するコミュニティの一員としての役割を果たさなければなりません。 自分のライフスタイルが確立するまでは、投資のつもりで賃貸住宅に住んでみて、いろいろな住環境を経験してみることも必要でしょう。同じように自分で会社を起こす場合でも、夢だけを追いかけて独立するのではなく、社員として働きながら自分の方向性をしっかり持っておくことが大切だと思います。 |
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