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会社名
株式会社 日本セフティ−ネット
〒105−0012
東京都港区芝大門1−7−1 渡辺ビル
TEL: 03−5777−6731
FAX: 03−5777−6733
URL: http://www.j−safety.com
茨城工場
〒319−0205 茨城県西茨城郡岩間町押辺2191−1
TEL: 0299−45−0191
FAX: 0299−45−0190
主な事業
- 緊急用防煙マスクの製造・販売
- 防火・防煙・防毒用機器及び薬剤の開発、製造・販売
- 防災倉庫・発電機・浄水器・備蓄食料・備蓄飲料水等の災害対策機器及び用品並びに資材の仕入販売とコンサルティング
- 災害対策におけるコンサルティング業務及び教育指導
- 自衛消防隊の教育指導
<社長にインタビュー>

熊谷 仁(クマガイ ヒトシ)氏
昭和34年2月12日東京都葛飾区生まれ |
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「スティーブ・マックウィン主演『タワーリングインフェルノ』がきっかけだった!!」
当社は防煙マスク、正式には「毒ガスマスク・火災民生用」の専業メーカーとして、この分野ではトップシェアを誇っています。そして、災害対策コンサルティングとそれを通じての総合的な防災用品の供給をしています。
今でこそ、防災コンサルタントとして自他ともに防災業界で認められるところまで来ましたが、この業界に参入することになる、つまり防煙マスクの製造にかかわることになるあるプロジェクトとの係わりがなければ、当社の現在はありませんでした。
私の実家は葛飾区で塩ビフィルムの空気入り玩具、ビーチボールや浮き輪や一世を風靡したダッコちゃんなどの製造メーカーでした。そこに、防煙マスクのフード部分の開発という依頼がきたのです。その依頼をしてきたのが、大手化学メーカーを主体とした防煙マスク製造プロジェクトチームだったのです。
そのプロジェクトチームが誕生した経緯には、かの名優スティーブマックイーンが主演した映画「タワーリングインフェルノ」がひと役買っていたのです。あのスティーブマックウィン演じるところの消防士長には実在のモデルがいて、当時のサンフランシスコ市消防局のファイヤーチーフのエモット・コンドン氏でした。サンフランシスコ市消防局の現職消防士も50名近くがエキストラとして出演していたあの映画が注目されることになったひとつの理由に、映画が公開された翌年、ラスベガスのMGMホテル火災で86人が死亡するという、まさに映画そのものを地で行くような超高層ビルでの火災があったからと言われています。
エモット・コンドン氏は全米各地で講演を行い、招請されて日本でも講演をしたのですが、その時にMGMホテルでの火災による死亡のほとんどが煙による窒息死であったことに言及し、建物の高層化・深層化が進むなかで、設備による防災には限界があること、特に煙に対しては防ぎようがないことから、どうしても「呼吸保護具」の設置が必要なのだと力説したのです。当時は呼吸保護具、つまり防毒マスクのようなものは軍用のみでしたから、同氏は「一般の人でも使えるような小型でしかも高性能、手ごろな価格のものをぜひ日本で開発して欲しい」との要請もしたのでした。
それを受けて三井東圧(現三井化学)の触媒部門が中心となって、防煙マスクプロジェクトが発足したのです。防煙マスクはその除毒部分に必要とされる薬剤については大手化学メーカーの技術的裏付けが必要でしたが、マスクそのものの製造には手作業による部分が多く、そのような細かい作業ができて、技術的にも確かな中小企業ということで、私の実家に話が持ち込まれたのです。
プロジェクトチームには名だたる企業が名を連ねていて、それぞれの得意分野での協力をいただきながら、商品化していくプロセス全体を俯瞰してまとめていく役割をいつのまにか、中小企業で原料から製品までを一貫して手がけていた若干24歳の私が、仰せつかることになるのです。
「円高の直撃で、全ては水泡の危機に!!」
そもそもそのプロジェクトチームは米国市場に販売する防煙マスクの開発を目的としていたことから、当時日本では1種類のガス、COガスだけを除去できれば良いとされていた規格を大きく上回る、10種類のガスの除去というU.S.テスティングカンパニー社による基準をクリアする製品を目指していました。米国内で防煙マスクを販売するためにかけなければならなかったPL保険に入るために必要な基準でもあったのです。
3年の歳月をかけて、その基準をクリアする商品化にこぎつけ、米国向けに年間60万個を輸出するという契約を取りつけることができたのが、1985年のことでした。ところが、輸出が始まったとたんに、それまで1ドル230〜240円であった為替レートがどんどん円高に振れて、あっと言う間に160円になってしまったのです。為替レートが対ドルで20円以上振れた場合には契約は解除になるという条件であったために、数万個を輸出しただけで米国市場をターゲットとした戦略は頓挫してしまったのです。
さて、大量に抱えることになってしまった在庫を前に、これはもう日本の国内市場を開拓するしかないと言うことになるのですが、市場調査での防煙マスクの需要予測はゼロで、こんな代物を買う日本人なんかいないと言われました。そこで、原材料を提供していただいていた三井東圧にお願いして、三井グループ各社の総務部を紹介してもらいました。半年で100社あまりを訪問させていただき、とにかく納入実績を作ろうと先のエモット・コンドン氏の逸話を紹介しながら、防煙マスクの必要性を説いてまわったのです。その時にこころがけたのが次の点でした。ひとつは「たとえ1個のご注文でも正式に注文書をいただくこと」、もうひとつが「支払いは指定口座への振込みをしていただくこと」でした。そして、取引先企業様としてパンフレットに掲載させていただきたいという誠に図々しいお願いまでしました。
防煙マスクの防災上の必要性を徹底的にご説明したことが効を奏したのでしょうか、最初は1個、多くても10個だったご注文が、やがて50個とか100個というケース単位にまで増えるようになりました。当時、三井物産の若王子支店長の誘拐事件があったり、味の素の海外工場での火災事故が報じられたりして、企業の「危機管理」への認識が高まり始めたことも寄与したのだと思います。
その後、ホテルニュージャパンの火災や熱川の大東館の火災などが起き、消防法による設置義務がなかったにもかかわらず、ホテルや宿泊施設の客室にも防煙マスクを標準設置いただけるところが増えてきました。
「本当に聞かなければならないのは、亡くなってしまった人からの声だ!!」
防煙マスクもようやく社会的に認知されるようになってきた時、神戸三宮の駅近くのテナントビルで昼火事が発生し、ボヤで消し止められたにもかかわらず、テナントの社員のひとりがトイレ内で死亡しているのが発見されたのです。トイレは水があって逃げ込むのに適しているように思いがちですが、常に空気ファンが回っているため、火災の煙が流れ込んでしまうので、とても危険な場所なのです。亡くなった方もトイレに逃げ込んで、大量に煙を吸い込んだ結果の窒息死でした。
そのテナントビルを所有していた会社では事態を重く捉えて、全国に600強ある自社所有のビルに防煙マスクの設置を決定するに至ったのですが、その時に商品説明と取り扱い説明を現地で行うことを要請されたのです。簡単に受けてしまったことを後で悔やむことにはなるのですが、とにもかくにも全国をまわって、説明会を繰り返しました。その課程で、現場からのいろいろな質問に対して答えを準備したりしているうちに、災害用品を置いてもらうだけでは、本当の意味での防災対策にはならない、それらがいざというときに機能するような態勢づくりを整えていただかなければということに気づいたのです。それが、防災全般のコンサルティングを行うようになったきっかけで、最初は現場の方々に喜んでいただければといったサービス業務であったのが、いつしか自社で防災用品の実験を行ったり、軍手から消防車まで総合的に防災用品を取り扱うようになっていったのです。
防災のコンサルティングを行う以上はもっときちんとした知識を習得しなければと考えていたところ、消防の法規制もわかるようになるので、消防設備士の資格を取りなさいとアドバイスしてくれる方がいて、水系消火設備の設計・施行・保守管理ができる「1類甲」の資格を取得しました。更に消火訓練指導の必要性を感じていたこともあって、地元の消防団に入ることになり、消火機器の操作の実地訓練を受けるようになりました。消火機器の操作の熟練度を上げる目的から「操法大会」というのが催されるのですが、昨年は私が監督をしているフジ写真フィルム本社の自衛消防隊が麻布消防署管内の20部隊が参加した屋内消火栓の操法大会で初優勝しました。
消火機器の操作は簡単そうに見えても、熟練していないと現場ではいざと言う時に使いこなすことができません。実際の火災現場で、火や煙の危険にさらされながら、一般の民間人である社員が自衛消防隊として消火活動ができるのだろうかと思うことがあります。プロの消防隊員でも、目と呼吸を守るフルフェースの防煙マスクを装着して消火に当たるのですから、一般の方用にも消火器とセットして防煙マスクを装備しておいていただきたいと考えるのです。果敢に初期消火に向かった社員が煙にまかれて命を落としたなどということにならないよう、防煙マスクの普及に尽力したいと思います。
防災用品は、すわ一大事というときに生死を分けるものです。買って置いておけばそれで安心というわけではありません。その使い方を知っていることが大切です。そしてもっと大切なのが、自分が置かれている状況で命を守るためにはどう行動しなければならないかを判断することです。まず、自分の命を守る。自分の安全を確保できて始めて、消火活動や他の人への救援活動ができるのです。
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