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 進学留学
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■進学留学とは
学位(準学士・学士・修士・博士号など)の取得を目的とする留学。
■目的
日本にも大学や短大はたくさんある。しかし「将来は映画制作をしたい。でも日本の大学ではこの専攻をもつ大学が少ないし、やはり映画の本場アメリカに行って勉強してみたい」、「英文学を勉強するなら、やはりそれが生まれた場所に行って理解を深めたい」「オーストラリアに行って有袋動物の研究をしたい」など、その場所で勉強することが適している専攻科目は多い。また日本の大学では何か物足りない、もっと何かに挑戦するために海外に腰をすえて勉強しよう、と言う人もいるだろう。こんな人には海外の大学や大学院での勉強がふさわしい。

海外の大学は日本に比べ卒業しにくい、と言われているが、これは言いかえれば、得られる知識がたくさんあるということ。加えて留学生には語学力のハンディもある。そんな厳しい条件の中で現地の学生と肩を並べて勉強するには、現地学生の何倍もの努力が求められる。大変なことではあるが、その分達成したときの喜びと自信は確実である。そして進学留学後、日本に帰国する人も現地で仕事を続ける人もいるが、いずれの場合も世界を意識して、より広い視野と可能性をもった生活を送れることも請け合いである。
■入学資格
大学等の進学に必要な条件は国により異なるが、基本は大学の授業についていけるだけの(1)学力(2)英語力があることだ。
(1)学力
大学で勉強するのに必要とされる学力は、その国の教育制度によっても異なってくる。英語圏の大学については、大きくはアメリカ型とイギリス型に分かれる。アメリカの大学では一般教養2年間と専門科目2年間の合計4年間を基本の形とする。このカリキュラム自体は日本の大学に近いといえるだろう。日本と違うのは入試の際に専攻を決めなくてよい点。一般教養の勉強をしながら、2年生の修了時までに自分の専攻を決めていくことができる。一方イギリスでは大学入学時点で専攻を決め、大学では専門分野のみを勉強することになる(一般的に3年間で学位を取得する)。

この違いのため、日本から留学するためには、アメリカでの進学の場合は高校を卒業していれば充分だが、イギリスでは、大学2年生までを修了していることを求められることが多い。イギリスと同様の教育制度をとる国として、オーストラリアやニュージーランドがある。またカナダは州により教育制度に多少の差異があり、アメリカに近い場合(ブリティッシュ・コロンビア州など)とイギリスに近い場合(ケベック州など、日本の大学1年生を修了していることを要件とする)がある。
学力の判断方法については、日本では毎年1回の大学入試が主となっているが、アメリカをはじめ海外の大学では、主に高校3年間(加えて、大学で修了している時点まで)を通しての総合成績で判断する。日本では成績は1〜5の5段階評価が一般的だが、アメリカでは0から4の5段階評価。その評価の平均点をGPA(GradePointAverage)という数字で表す。
GPAの計算は、


入学に必要なGPAは学校によって異なるが、4年制大学への入学を希望する場合は最低でも2.0は欲しい。 なお、大学院の入学には学部でのGPAが審査され、これも学校によって必要なポイントに差があるが、最低でも3.0は欲しい。従って、現在高校在学中で大学進学を目指している人、あるいは大学在学中で大学院進学を考えている人は、とにかく少しでもよい成績を取るように努力しておくことだ。卒業してしまったらこのポイントだけは変えることができない。もうすでに高校を卒業した人で、GPAが残念ながら2.0に満たない人は、はじめに2年制大学に入学して(4年制大学より入学しやすい)、そこから4年制大学に編入するという方法もある。

また高校卒業後、イギリスやオーストラリアのような大学に進学したい人には、進学前にファウンデーション・コースという1年間の準備プログラムを設けている学校もある。

アメリカの場合、GPA以外にも学力を判断する材料がある。学部入学の場合にはSATやACTというテストであるが、これはアメリカの高校生を対象とするものなので、留学生の場合は必要とされないことが多い。大学院レベルでは、GMAT(ビジネススクール志望者対象)、LSAT(ロースクール志望者対象)、GRE(その他一般大学院コース対象)があり、大学院レベルの場合留学生にもスコアが求められることが多く、日本でも受験することができる。テストの日程等の詳細については、日米教育委員会に問い合わせよう。自分の希望する大学が必要とするGPAやテストスコアについては、事前に知っておく必要がある。また大学院の場合は専攻によって実務経験が必要な場合もある。なお、上で述べたテストについては、日本でもテスト対策コースを行っている学校がいくつかある。

なおアメリカの場合、学期ごとに入学が可能なため年2〜4回の入学のチャンスがある(学校により、2学期制(セメスター制、9月、1月の入学可。学校によっては5月からのサマー・セッションからの入学もできる)、4学期制(クォーター制。9月、12月、3月の入学可。学校によっては6月からのサマー・セッションからの入学もできる)等の学期制がある)。

(2)英語力
次に入学に必要な英語力だが、アメリカではTOEFL(Test of English as a Foreign Language)が主に使われている。入学時に求められる点数は大学によって異なるが、学部レベルで500〜550点、大学院レベルで550〜600点が一般的なようだ。なお、英語力が足りない場合は、

(1)日本でその点数に達するまで勉強してから入学手続きを始める
(2)現地の英語コースでその点数に達するまで勉強してから入学手続きを始める
(3)英語力がついたらその次の学期から入学を許可するという、条件付入学を採用している学校への入学手続きを進め、その学校の指定する英語コースへ通う

という三つの方法が考えられるが、英語力の早い上達や進学手続きによる時間のロスを省きたいなら(3)がお勧め。ただしこのシステムを採用していない学校も多いので、自分の行きたい学校がすでに決まっている人は、その学校が条件付入学を認めているかを確かめる必要がある。
カナダでもTOEFLで判断することが多く、550〜600点が求められる。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドではIELTSというテストが使われる場合が多く、6〜7ポイントが必要とされる(TOEFL550〜600点に相当するといわれる)。

(3)その他
学力と英語力に加えて、その人の人柄や勉強への意欲といったものも入学審査の基準となる。在学した学校の教師あるいは在職した会社の上司からの推薦状、過去に行った勉強以外の活動(クラブ・生徒会・ボランティア活動など)、進学についての意欲を表すための自分自身の作文(いわゆるエッセイ)などが求められることが多い。
■教育機関・コース
学位を取得できる教育機関としては、大学学部(学士号)やプロフェッショナル・スクールを含む大学院(修士・博士号)が挙げられる。さらにアメリカには、2年制のコミュニティ・カレッジやジュニア・カレッジと、4年制のカレッジ、ユニバーシティがあり、2年制大学では準学士号を、4年制大学では学士号を取得できるようになっている。

2年制大学では職業訓練を中心としたコース(VocationalCourse)と4年制大学への編入を目指すコース(TransferCourse)が行われている。職業訓練コースには広範囲にわたるコースがあり、例を挙げるとビジネス、マーケティング、不動産学、電気製品修理技術、ヘア・デザイン、インテリア・デザイン、料理などなど。卒業したらすぐに仕事につけるような実践的なコースだ。一方編入コースでは、4年制大学への編入をめざし、主に一般教養科目を勉強する。州立のコミュニティ・カレッジの場合、同じ州内の4年制大学に編入しやすいように単位の移行や推薦システムが整っていることが多い(例えば、カリフォルニアのサンタモニカ・カレッジからカリフォルニア州立大学やカリフォルニア大学系の各学校への編入など)。

アメリカの4年制大学も数・専攻科目ともに豊富である。最近の注目はITに関連したコンピュータ・プログラミング分野や、遺伝子学に関連した生物学・生化学、もちろんビジネス関連の専攻も人気。さらにアスレティック・トレーナーやミュージック・セラピー、アート・セラピーといった日本ではまだなじみの薄い分野の専攻もある。ソーシャル・ワーク(社会福祉)や心理学は日本にも増えつつある専攻だが、レベル的に高いものを望むならやはりアメリカだろう。

アメリカの大学を選ぶときに留学生が気をつける点がいくつかある。コミュニティ・カレッジは言葉通り現地のコミュニティの人々が自宅から通うことを基本として作られているため、寮などの滞在施設がないことが多い。また4年制大学も含めて州立と私立の学校があるわけだが、現地の学生が自分の住む州立大学に進む場合は授業料の点で優遇されているが、留学生は州外生扱いのため州内の学生よりも高い授業料が必要となる。

カナダもアメリカの2年制大学と同様のコミュニティ・カレッジと4年制のユニバーシティがある。コミュニティ・カレッジにはユニバーシティへの編入コースがあるのも似ている。ただしカナダには準学士号はなく、学位としてはユニバーシティで取得できる学士号等になる。

イギリスではコミュニティ・カレッジは存在せず、学士号以上を取得できるユニバーシティがある。オックスフォードやケンブリッジ大学は日本でも有名だ。またロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックのような高レベルの芸術系学校等でも学位を取得することができる。オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド等もイギリス同様にユニバーシティがある。詳しくは各国のページの教育機関を参照してほしい。

なおアメリカでは多くの人が大学へ進学するのに対し、イギリス等では、大学進学者の割合が低く、大学は専門研究の場で限られた人の通う所、という一般的な認識があることも覚えておこう。結果として留学生の数も、その受入体制も、現時点ではアメリカが一番整っているといえる。
■期間・費用
前述の通り、国により学位取得までに必要となる期間は異なる。また入学に必要な英語力を補うための語学留学が必要な場合それも期間に加える必要がある。一般的に言って、高校卒業してすぐにアメリカに行った場合、語学留学にかかる期間が6ヶ月〜1年間、その後学部に進み学士号取得までに約4年間、合計4年半から5年間が必要だろう(アメリカは単位制をとっている為、1学期間に取る単位数を増やせば卒業までに必要な単位数を短い期間で取ることも可能だが、語学力にハンディのある留学生がこれをするのは至難の業である)。イギリス等の国の学部でも語学習得とファウンデーション・コースの修了に1年半〜2年間、その後学位取得までに3年間で、合計4年半から5年間が必要だろう。

大学院は専攻によって、修士号取得までに1年〜3年、博士号にはさらに3年〜5年くらいが必要となる。費用は授業料の違い、住む地域の物価によっても違ってくるが、1年間に200万〜300万円は準備する必要があるだろう。
■授業内容
大学の科目の取り方は日本の大学と同様。大学の規定に従って、その学期に自分が取りたい科目を選び、その授業に出席する。ただし授業の中身はかなり違う。何よりも学生の授業への参加が求められるげ、椅子に座っているだけでは授業に参加したことにはならない。自分の意見を述べ、質問し、時には先生やクラスメートと討議することが参加であり、そのことでその学生の理解度と授業への意欲が評価される。日本の大学では講義形式で学生はほとんど聞いているだけということが多いようだが、これとはかなり異なる。またプレゼンテーションという形で自分の考えを発表する機会も多い。スピーキング力が充分でない留学生にとっては、なかなかハードルの高い授業だ。

加えてクラスに出るまでに読んでおかなければならないテキストや資料も多い。クラスでは、「テキスト第X章の要点は?」という先生からの質問ではじまるので、読んでいかなければ授業に参加できなくなってしまう。読むべき本が多いなら、いかに速く読めるかが勝負。いわゆる斜め読みで、要点を抜き出す力が必要だ。この点でも留学生のハンディは大きい。進学前の語学留学でカレッジスキルを学んでおくのが勧められるのはこうしたせいでもある。

以上見てきたように大変ではあるが、刺激的で楽しい授業でもある。自分とは違うものの見方も発見できるし、口頭での理論の展開の仕方等、日本ではあまり求められることのない技術を得ることができる。真剣な議論の最中でも、ちょっとしたユーモアをはさむ先生や学生たちのセンスも見習いたくなるところだ。
なおアメリカでは、普通の授業に加えてインターンシップを採用している学校が多く、専攻に関連した企業で一定期間働くことで、単位と多少の収入も得ることができたりする。将来の就職に役立つ場合もあるので、参加の価値は大きい。
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